スパイスの奥深さを広く届けるために。
お客さまの目線に立った、ブランド価値の伝え方。
- 香辛事業部
- 品質保証
- VOXSPICE
INTRODUCTION
業務用として販売をスタートした「VOXSPICE(ヴォークススパイス)」は、現在、一般消費者向けに幅広い商品を展開しています。2026年3月には、スパイスの魅力を詰め込んだレシピ本『はじめてのスパイスレッスン』を出版。スパイスの魅力をより多くの人に届けるための、新たな一歩を踏み出しました。今回は、香辛料部のY.O.さんと、品質保証部のK.I.さんに、書籍の制作や両部門の協働を通して見えてきたVOXSPICEのあり方についてお話をうかがいました。
PROFILE
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香辛料部
Y.O.
2023年にヴォークス・トレーディングへ入社。香辛料部にてスパイスの通関業務を約1年間経験したのち、2025年1月より、VOXSPICE担当として販売店や展示会などでの営業活動に従事する。書籍『はじめてのスパイスレッスン』の企画・出版にも携わる。
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品質保証部 副部長
K.I.
2016年にヴォークス・トレーディングへ入社。前職で約8年間、食品工場の監査を担当し、その経験を生かして品質保証部の副部長を務める。産地の視察や製造工場の監査、パッケージや広告における表示の精査など、品質管理に幅広く従事する。
ターゲットに合わせて、商品の価値を正しく届ける

VOXSPICEは元々業務用が中心でしたが、2012年のブランドリニューアルを経て、一般消費者向けのオーガニックスパイスとして展開されるようになりました。個人のお客さまへ販売するにあたり、どのような課題がありましたか?
- Y.O.
- 実際にスーパーで販売が始まると、お客さまから「パッケージが素敵だね」「綺麗な色のスパイスだね」といったお声をいただく機会が増えました。一方で、店内の陳列棚という限られたスペースで「原材料がどこでどのように育ったのか」「どう使えば日常の料理に生かせるのか」といった情報まで伝えることには、難しさも感じていたんです。見た目だけではない、VOXSPICEならではの良さを今後どう届けるかが、重要なテーマだと認識していました。
- K.I.
- 産地のリアルな様子が伝わるようなコンテンツは、オーガニック食品を扱うブランドとして、ぜひお伝えしたい要素ですよね。また、私たちは有機JASの基準に則り、海外の圃場での栽培や加工工程、さらにはラベル表示や数量まで、細かくチェックしています。このように一貫した管理体制による安心感や信頼性、そして品質の高さがVOXSPICEの魅力です。しかし、これらの情報を発信するには、法規制やガイドラインを踏まえた適切な表現が求められます。VOXSPICEが一般消費者に広がるほど、パッケージ、SNS、出版物など、私たちが展開するツールも増えていきますが、表現に関する決まりは媒体によって少しずつ異なります。品質保証部では、各種規制のアップデートにスピーディーに対応しながら情報発信の精査にあたることが、今までも、そしてこれからも求められています。
お二人が普段の業務でVOXSPICEの魅力や情報を発信する際、どのようなことを大切にしていますか?
- Y.O.
- 私たちは、店頭のほかにも展示会、SNSなど、あらゆる場所でVOXSPICEを紹介しています。お客さまごとに異なるバックグラウンドを持っているため、提案の際には「色々な立場の方の意見を取り入れること」と「相手に合った提案をすること」を心がけています。例えば、スーパーのバイヤーと一般消費者では、スパイスの知識量も知りたいポイントも全く異なるんですよね。現場でお客さまと実際にお話をすることで、「品質や価格について丁寧にご説明しよう」「使いやすいスパイスの種類をお伝えしよう」など、一人ひとりとの接点がより充実した場となるように、私自身も多くのことを意識できるようになりました。
- K.I.
- 営業チームが前線に立ち、お客さまに商品の魅力を伝えてくれる一方、品質保証部としては、「VOXSPICEの良い面をアピールしたい気持ちが先行しすぎて、逆にブランドイメージを損ねてしまわないか」という点に注意しています。情報の正確性を守ることは大前提として、その先にある「どのように表現すれば誇大表示にならず、かつスパイスの魅力が最大限伝わるか」という絶妙な塩梅を、私自身常に模索しています。営業の皆さんが「アクセル」だとしたら、私たち品質保証部は「ブレーキ」のような存在。営業チームが安心してトップスピードで走れるよう、私たちは品質や表現の面から最適なタイミングで助言をすることで、ブランドの信頼性を守っています。
- Y.O.
- 私たち営業部門は「どうしたら商品の魅力が届けられるか」ということに強い熱量を持っています。そこで、「この表現はリスクがあるかも」と気づかせてくれる品質保証部は、非常にありがたい存在です。また、彼らからお墨付きをもらった表現だからこそ、私たちは自信を持って商品をお客さまにアピールできています。
「スパイスをもっと身近に」事業の成長を見据えた、新たな試み

「VOXSPICEの魅力を届ける」という同じ目標でも、お二人で異なるミッションを抱えていたのですね。そんななか、お客さまへの新たなアプローチとして「書籍の制作」に至ったのには、どのような経緯があったのですか?
- Y.O.
- 今回の書籍は、料理家の河井美歩先生と共同で制作・出版したのですが、お付き合いが始まったのは2023年ごろでした。河井先生が茨城県で営む「小匙惣菜店」で月1〜2回、当社と共同で「スパイスレッスン」を開催しており、夏はカレー、冬はハーブなど、季節に合わせたテーマを設けて、スパイスの知識や調理方法を学ぶイベントを実施していたんです。このレッスンは参加者からも好評をいただいており、内容をより多くの方に届けたいという想いを常々抱いていました。今回、それを伝えるために書籍という手段を選んだのは「お客さまの手元に届き、残り続ける」という点に価値を感じたからです。また、書籍はほかのツールより情報を網羅的に伝えることができます。こうした想いから、2025年の春に制作がスタートしました。
スパイスの魅力を伝えるために、書籍の制作ではどのような点を工夫しましたか?
- Y.O.
- スパイスを初めて使う方や「どう使えばよいのかわからない」という方に向けて、スパイスを身近に感じてもらえるように意識しました。例えば、一般的にカレーで使うイメージのあるスパイスを、あえて和食に使ったレシピを掲載するなど、いつもの料理をワンランクアップさせるだけでなく、スパイスの新しい可能性を発見する面白さをこの本に詰め込んでいます。一方、ブランドの宣伝色が強くなりすぎると、読み物としての親しみやすさが損なわれてしまいます。そこで、VOXSPICEのカラーを出しすぎないよう、「引き算」することも同じくらい意識していました。
- K.I.
- 品質保証部では、食品衛生の面で書籍の表現に関するアドバイスを行っていました。私は普段、実際に海外の産地へ赴き、スパイスの原料が実る様子から、収穫後における現地工場の管理方法まで、自分の目で確認しています。その情報を元に、掲載書籍するレシピの調理工程に対して「ここはしっかり加熱を挟んでほしい」といった、食の安全に関わる部分を一つひとつ確認し、書籍制作チームへフィードバックしていました。
両部門の連携は書籍の制作でも生かされているんですね。今回のプロジェクトは、VOXSPICEの今後の展開においてどのような効果があると思いますか?
- K.I.
- 「スパイスごとの持ち味」と「安全で美味しい調理方法」という二つの要素が調和する一冊が完成したのは、事業にとって大きな前進だと思います。表現をめぐっては、書籍制作チームと品質保証部で何度も議論を重ねたんです。表現が柔らかすぎては内容が伝わりづらくなってしまうし、言い切るような堅い表現ばかりでは本としての面白さがなくなってしまう。書籍制作チームが伝えたいスパイスへの想いと、品質保証部が考える適切な表現を綿密に擦り合わせた結果、両者のバランスが取れた仕上がりになりました。本を通して、スパイスをより身近な存在として楽しんでいただける方が増えることは、VOXSPICEの成長のために大きな意味を持つと思います。
- Y.O.
- そうですね。本の完成後には、社内からも「読みやすくて、レシピ本として活用しやすい」といった感想をもらいました。加えて、「書籍」という皆さまの手元に残り続ける媒体を用いたからこそ、より責任感を持ってVOXSPICEの魅力や想いを発信できた点にも意義があると感じています。
社内外のコミュニケーションを、VOXSPICEのさらなる事業展開へ生かす

書籍の制作を経て、今後どのような姿勢でスパイス事業に関わっていきたいですか?
- Y.O.
- これからも、お客さまとの対話の機会を大切にしながら、潜在的なニーズを新たな商品や企画に生かしていきたいです。実は今回、本を購入いただいたお客さまから「私はスパイスをこうして使っているよ」と、新たな使い方についての提案をいただいたんです。お客さまとのつながりで得られる新しい知識や考え方を積極的に取り入れながら、オーガニックスパイスの魅力をさらに多くの人に伝えていきたいですね。
- K.I.
- Y.O.さんたちが考える魅力的な商品や企画の実現を、食品衛生や品質といった視点からサポートしていきたいです。そのうえで、VOXSPICEが大切にしている「有機」や「オーガニック」という価値を正しく守り、伝えていく姿勢も重要だと考えています。また、オーガニックであることは単に商品に付加価値を与えるだけでなく、環境保全性や農業の持続可能性の向上にも寄与します。こうした、商品の背景にある価値まで含めてお客さまへ届けることが、ブランドとしての使命だと感じています。そのためにも、今回の書籍制作のような製造過程や調理方法のリスクを両者で確認する機会を、引き続き大切にしたいと思います。
最後に、VOXSPICEのファンに向けて一言お願いします。
- Y.O.
- スパイスを通して、皆さんの日々のお料理や暮らしがより楽しく、豊かになるような提案をこれからも続けていきたいです。その一例が、VOXSPICEで展開しているクラフトドリンクのメイキングセットです。コーラやジンジャーエールなどをお客さまご自身がスパイスから手作りし、素材本来の味わいや香りを実感していただける人気商品で、今後さらにシリーズを拡大したいと考えています。ほかにも、さまざまな商品や媒体を通じてスパイスの魅力を発信していきます。楽しみにしていてください。
- K.I.
- オーガニックを強みとするブランドとして、自然の恵みそのものであるVOXSPICEの魅力を損なうことなくお届けできるよう、品質保証の観点から日々試行錯誤を重ねています。スパイスの安全性を厳しく科学的に管理していきますので、これからも安心して楽しんでくださいね。
取材日:2026年5月
内容、所属等は取材時のものです

